みよしのプロフィール

あなたは「慢性腎不全」です。

26歳の「あの日」、腎臓内科の診察室で言われた一言が、私の闘病生活の始まりでした。

こんにちは。腎臓病患者の「みよし」と申します。

みよし
みよし

慢性腎不全とは、数ヶ月から数年という長い年月をかけて徐々に腎機能が低下し、腎機能が健康な人の3分の1以下にまで低下してしまった状態です。

一度低下した腎機能は基本的に元には戻らず、最終的には「人工透析」または「腎移植」が必要になってしまうと言われています。

ところが「ある出来事」から、腎臓病の食事療法に興味を持ち、食事療法を実践していくことで、人工透析になるまでの期間を「30年以上」も延ばせる可能性があることを知りました。

そんな私も、腎臓病の食事療法に力を入れてから今までの約5年間、腎機能はほぼ横ばいで、腎機能を維持し続けることができています。

「もっとおいしい腎臓病食」では、腎臓病患者の「みよし」が実践している腎臓病の食事療法をおいしく続けるコツ、減塩食品や低たんぱく食品のレビューなどを発信しています。

まずい、難しい、といわれがちな腎臓病の食事療法を少しでも、おいしく、たのしく、実践していける方法を紹介できればと思います。

私が慢性腎不全と診断されるまで

会社の健康診断でクレアチン高値 〜 入院

腎臓病に気付いたのは、私が26歳のときに会社の健康診断でクレアチニンが2.28まで上がっていることを指摘されたときでした。

クレアチンは健康な人では1.0以下が正常なため、2.28という数値はCKDのステージ4(高度低下)に相当しました。

みよし
みよし
もう少し発見が遅れていたら、尿毒症の症状が出て透析が必要になるまで気付かなかったかも知れないので、会社の健康診断で見つかったのは不幸中の幸いでした。

すぐに近所の内科で紹介状を書いてもらい、腎臓内科のある大きな総合病院で診察を受けました。

血液検査や尿検査をしましたが、結局、最終判断は腎生検をしないと分からないということで、腎生検のため1週間の入院をすることに。

腎生検をしてすぐに薬剤性の尿細管間質性腎炎と診断されました。

私は学生時代から偏頭痛持ちで市販のロキソニンなどの頭痛薬をよく飲んでいたため、それが原因で薬剤性の腎炎になったのだろうということでした。

そのままステロイドによる治療のために入院期間が1ヶ月延長となり、ステロイドの服用によって入院当初2.28あったクレアチニンは1.59にまで下がりました。

退院 〜 再びクレアチンが2.0を超える

退院後は主治医から1600kcal、食塩6g、たんぱく質50gの食事制限を指示されたこともあり、家で使っていた調味料はすべて減塩調味料に変えました。

みよし
みよし
後に判明するのですが、この1600kcalという摂取カロリーは一般の成人男性にはとても少ないものでした。

たんぱく質も控えめにするようにと言われていたので、主食は白米からパックの低たんぱくごはんに変更しましたが、その他のおかずなどは今まで通り食べていました。

しかし、大きな総合病院だったので主治医が転勤で変更になるたびに食事療法に対する見解もころころ変わり、少しずつ病院に対して不信感を抱いていました。

みよし
みよし
今だから言えるのですが、病院や医師によっては食事療法にそこまで積極的ではない場合も多く、患者自身が自分の病気のことや食事療法について勉強し、自分なりの意見を持つことが重要だと思います。

医師によっては「たんぱく質制限は不要」ということを言われ、低たんぱく米はとても高かったので、医師が不要と言うならということで次第に食べるのを止めてしまいました。

そのまま2年が経過し、クレアチンは再び2.0を超えていました。

2年間の間に管理栄養士による栄養指導は5回ほど受けました。

ところが、随時尿から推定された食塩摂取量が6gを超えることが少なかったので、管理栄養士からは「食塩制限がよく出来ている」とお褒めのお言葉をいただくだけでした。

栄養指導では褒められていたのに、クレアチニンは少しずつ上がり続けているという現状に疑問を抱いていました。

腎臓病セミナーに参加 〜 転院

29歳のときに妻と結婚しました。

結婚を期に腎臓病の食事療法について色々調べていたところ、市民公開講座の腎臓病セミナーがあるということを知り参加しました。

セミナーでは腎臓病にはたんぱく質制限や栄養計算がとても重要なことや、食事療法で透析を回避できるということを知り、当時私が食事療法に対して疑問に思っていたことがすべてクリアになりました。

セミナーに登壇していた管理栄養士の方は、いつも食事指導を受けていた管理栄養士とは指導法も違い、「患者さんを絶対に透析にさせない」という強い熱意を感じました。

私もこういう管理栄養士から指導を受けたいと強く思いました。

私はすぐに当時の主治医に食事療法について相談をしました。

ところが主治医から返ってきたのは衝撃の言葉でした。

「この病院には腎臓病に詳しい管理栄養士がいないため、食事指導で栄養計算などの高度な技術を教えることはできない」

「そのため、積極的な食事療法は行っていない」

「希望するような食事療法を行いたければ転院を勧める」

私はまさかの回答に唖然としましたが、このままこの病院にいては透析になるだけだと思い、転院を決意しました。

その後、自ら様々な病院に電話し、腎臓病の栄養指導や外来での24時間蓄尿を実施している病院を必死に探しました。

食事療法サポートセンターなどの腎臓病の食事療法支援団体にも連絡を取り、なんとか腎臓病に長けた管理栄養士がいる病院を紹介してもらうことができました。

みよし
みよし

食事療法サポートセンターは腎臓病等の食事療法普及活動を行なう特定非営利活動法人です。

転院などの相談にも真摯に相談に乗ってもらえたので、食事療法で悩んでいる方はぜひ一度相談してみることをおすすめします。

現在

今の病院では2000kcal、食塩5g、たんぱく質40gを指示され、毎日栄養計算をして、24時間蓄尿で食塩と蛋白摂取量を正確に把握しながら、日々の食事制限を行っています。

前の病院では1600kcalの指示量だったので、カロリーが足りずに痩せてしまうこともあったのですが、正しいカロリー摂取量とは400kcalも差があったのも驚きでした。

これでは通りで痩せてしまうわけです。

現在は正しい食事療法に加え、病院から指示された運動療法も実践し、今のところ約5年間は腎機能がほぼ横ばいで、現在の腎機能を維持し続けることができています。

また、食事療法によって血液検査の尿素窒素(BUN)などの値も正常値になり、検査結果が良くなったことで飲む薬の量が以前より減ったのも嬉しかったです。

みよし
みよし
薬をずっと飲んでいればどんな薬にも少なからず副作用はあります。食事療法によって薬を減らすことが出来たのはとても満足しています。

腎臓病患者の私が実践している食事療法

私が普段から実践している食事療法を紹介させていただきます。

食事療法といっても特別なことをやっているわけではありません。

日本腎臓学会のガイドラインで定められている、たんぱく質、食塩、カリウム、リンの制限をきちんと守って実践しているだけです。

>> 日本腎臓学会発作成の診療ガイドライン

しかし「これが意外と難しい」のです。

このブログでは少しでも腎臓病の食事療法をおいしく、楽しく、継続していくために私が実践していることを紹介しています。

たんぱく質制限

たんぱく質は肉や魚以外にも、米、卵、乳製品、大豆、野菜、イモ類など殆どの食品に含まれているため、これらの量を制限しています。

主食のお米は低たんぱく米に変え、パンは食塩も含まれているため、普段はほとんど食べていません。

肉や魚などの動物性たんぱく質には、必須アミノ酸を豊富に含む良質なたんぱく質が含まれているため、1日のたんぱく質摂取量の6割をこの動物性たんぱく質から摂取するように心がけています。

動物性たんぱく質が不足すると、短期的にはあまり問題は起こりませんが、長期的には筋肉量の低下やアルブミン(栄養)の低下が起こる可能性があるそうです。

たんぱく質制限といっても、摂取たんぱく質量が低ければ低いほど良いというわけではなく、低栄養にならないように指示量分のたんぱく質はしっかり摂取するように気をつけています。

私が普段食べている低たんぱく食品や、低たんぱく食品のレビューは以下から確認できます。

>> たんぱく質制限についての記事はこちら

カロリーアップ

食品中のたんぱく質量とカロリー量は相関関係にあるため、たんぱく質を減らすと、摂取カロリーも減少してしまいます。

摂取カロリーが不足すると、体重や筋肉量が減り、体内では筋肉を分解して必要なエネルギーを生み出そうとします。

その結果、たんぱく質を摂りすぎたときと同じように体内の老廃物(尿素窒素)が増えて腎臓に負担がかかってしまいます。

必要カロリーはその人の体格や活動量によっても異なります。

カロリーが足りているかの確認は血液検査や尿検査では行えないため、毎日体重計で体重を測り、体重が減っていなければカロリーが足りているという判断をしています。

低たんぱく食で不足した分のカロリーを補うために、低たんぱく米などの低たんぱく食品や、エネルギーゼリー、お菓子などでカロリーを補っています。

腎臓病のカロリーアップについては以下の記事で詳しく説明しています。

>> 【腎臓病の食事】たんぱく質制限ではカロリーアップが重要です

食塩制限(減塩)

食塩を摂取すると血圧が高くなってしまいます。

高血圧は腎臓にも負担がかかるため、食塩の摂取量も制限します。

現在、私の血圧は上が110の下が80ほどで決して高血圧ではありませんが、血圧の推移を把握するために毎日、朝晩で血圧を測るように指示されています。

食塩制限は調味料を減塩調味料に変えるのと、醤油などの使用量をなるべく減らして、代わりに黒酢を使うなどの工夫をしています。

また、外食やコンビニ弁当は塩分が高いため、基本的に自炊するようにしています。

ただし、どうしても食べたいスナック菓子などは、必ず、パッケージの栄養成分表示を確認し、塩分制限の範囲内に収まるように食べる量を調整しています。

私が実践している減塩のための工夫、減塩商品のレビューは以下から確認できます。

>> 減塩についての記事はこちら

カリウム、リンについて

食品中の栄養素は、ほとんどがたんぱく質と相関関係にあるそうです。

腎臓病の食事療法で問題となるカリウム、リンなどもそうです。

そのため、たんぱく質制限を行っていれば、同時にカリウム、リンも制限したことになるため、 野菜の茹でこぼしなどで意図的にカリウムを減らすといったことはしていません。

フルーツなども普通に食べています。

ただし、特にカリウムが多い青汁などは飲まないようにしたり、リンの多い練り物やコンビニ食品はなるべく控えるように主治医から指示されています。

カリウム制限については以下の記事で詳しく説明しています。

>> 腎臓病患者の私が野菜の茹でこぼしをしていない理由【カリウム制限】

栄養計算

肉や魚、野菜など食べる食品は基本的にすべて計量し、毎日、食品成分表で1日に摂取したエネルギー、食塩、たんぱく質の量を計算しています。

人間の目分量は意外と当てにならないもので、ちゃんと計量しないと指示量をオーバーしてしまったり、逆に制限し過ぎて低栄養になってしまいます。

正しく計量、栄養計算することで指示量の範囲内でお菓子なども自由に食べることができるようになります。

私が実践している栄養計算のやり方は以下の記事で説明しています。

>> 腎臓病の食事療法は栄養計算が重要!食事記録のやり方を紹介

24時間蓄尿

計量や栄養計算をしていても、計量や計算の方法が間違っていたりすると、知らぬ間に指示量を超えてしまっていることがあります。

私が通っている病院では、次回通院までの1ヶ月の間に1日だけユリンメートという器具を用いて24時間蓄尿をします。

これを通院時に提出し、24時間蓄尿で測定した1日の食塩摂取量と蛋白質摂取量が自分で栄養計算をした結果と合っているか答え合わせをしています。

これを通院のたびに繰り返すことで、次第に栄養計算の精度が上がっていき、最終的には栄養計算の値と24時間蓄尿の値でほぼ差がなくなるそうです。

自己流の栄養計算や食事制限では指示量をオーバーしてしまったり、必要以上に制限してしまう可能性があるため、管理栄養士の指導のもと、栄養計算や24時間蓄尿を行い、正しい食事療法を行うことが重要です。

>> 腎臓病の食事療法に24時間蓄尿が必要なワケ

普段の食事について

腎臓病の食事療法を始めて間もない方はこの記事を読んでも、すぐに理解するのは難しいかも知れません。

「腎臓病と診断されたけど、今日の夜から何を食べたらいいの?」

私が普段食べている料理の写真や、最近食べておいしかった減塩、低たんぱく食品などをSNSでも紹介しています。

ぜひ普段の献立の参考にしていただけたら嬉しいです。

SNSでは「もっとおいしい腎臓病食」の最新情報も発信しているので、ぜひフォローをお願いします。

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Posted by みよし