腎臓病の食事療法は栄養計算が超重要!食事記録のやり方を紹介
腎臓病で現在、塩分制限やたんぱく質制限をしている方に質問です。
「どれくらい食事制限をちゃんと守れていますか?」
毎日ちゃんと栄養計算をしている私ですが、今思うと昔はたんぱく質が1日80gくらいは軽く超えていたと思います。
目分量での食事制限ってそれくらいアバウトになるんです。
この記事では食材の計量や栄養計算が必要な理由と、著者が実際に行っている腎臓病の栄養計算と食事記録のやり方をご紹介します。
腎臓病の食事では「計量・計算」「食事記録」が重要
私は腎臓病で食塩5g、たんぱく質40g、エネルギー2400kcalの食事制限をしていますが、昔は栄養計算や食事記録を全くしていませんでした。
ところが私はある日、腎臓病についての市民公開講座に参加して以下のようなことを知りました。
- 腎臓病の食事療法では栄養計算がとても重要
- 食事療法で10年以上も透析導入を遅らせた人がいる
- 栄養計算や食事記録のやり方を指導している病院もある
市民公開講座に参加したことをきっかけに、現在は腎臓病の保存期治療に力を入れている病院に転院し、栄養計算のやり方などを教わることができました。
私が実際に栄養計算を始めて「腎臓病の食事療法では栄養計算がとても重要」だと思った理由を以下に紹介します。
計量しなければたんぱく質の量を把握するのが難しい
減塩は「調味料を減塩タイプのものに変える」「スープを全部飲まない」「お醤油を少しだけ付ける」などのテクニックで結構簡単に減塩できます。
ほとんどの調味料の栄養成分表示には食塩相当量が記載されているため、気をつけていれば塩分を多く摂りすぎるということは少ないと思います。
しかし「たんぱく質の量は、肉や魚のパッケージには表記されていません」
また、管理栄養士から食品サンプルの模型で指導を受けただけでは、実際にお肉にどれくらいのたんぱく質が含まれているのか正確に把握するのは難しいです。
さらに「肉や魚以外にも、卵、乳製品、大豆、野菜、イモ類などにもたんぱく質が含まれている」ことをご存知でしょうか。
著者も最初は食材の計量をしていませんでしたが、今考えると当時は1日でたんぱく質80g以上は軽く超えていたと思います。
せっかく低たんぱく米などを食べて食事制限を頑張っているのに、実際にはたんぱく質制限出来ていなくて腎機能が悪化してしまっては元も子もありません。
しっかり計算すればどんな物でも食べられる
私は栄養計算をする前は、カップ麺やスナック菓子、デザートなどは食事制限のために食べることを控えていました。
計算をしていないので「今日自分がどれだけ塩分やたんぱく質を摂ったのか」把握出来ていません。
そのため本当はまだ食べられたとしても必要以上に我慢してしまいます。
私は栄養計算を始めてからは、夜ご飯まで食べ終わったあとで1日の摂取量を計算し、まだ塩分やたんぱく質に余裕があるときは「残りのたんぱく質の量だったらポテチを一袋食べてしまっても大丈夫そう」と目を輝かせていたりします!
このように栄養計算をすると今まで我慢していた食べ物も「残りの塩分、たんぱく質の範囲内で罪悪感なく自由に食べることができる」ようになります。
本当は制限する必要がないものまで必要以上に制限してしまったり、食べたいものを食事制限を理由に我慢してしまうことはとてもストレスになります。
腎臓病の食事療法はほとんどの人の場合、生涯続けることが必要なものなので少しでもストレスをなくしていくことが食事療法の成功の鍵だと思います。
腎臓病患者の私の食事記録のやり方
ここまでで腎臓病の食事療法では栄養計算が重要な理由を説明しました。
「食事記録をやったことがない」というのために今回は腎臓病患者の私が実際にやっている食事記録のやり方を紹介したいと思います。
食材のグラムをはかる
料理に使う食材はすべてデジタルスケールでグラム単位で測ります。
写真は大根を測ったときのものですが大根は皮を剥き実際に食べる量を記録していきます。
料理ごとの栄養価を計算する
食材のグラムを測ったあとはノートに食材とグラムを清書し、食品成分表というもので食材ごとのエネルギー、たんぱく質、食塩相当量を調べていきます。
食品成分表以外に「食品交換表」というものも存在しますが、特に医師や管理栄養士からの指示がない場合は食品成分表をオススメします。(食品成分表について詳しく)
食品成分表は本を購入して毎回辞書のように引いている人もいると思いますが、著者は文科省が公開している食品成分データベースというサイトで、食材名を検索しています。
ただし、一度使ってみると分かりますが食品成分データベースで「ぶた」で検索しただけでも、「大型種肉/かた/脂身つき/生」「中型種肉/ばら/脂身つき/生」など沢山の種類が出てきます。
これは豚の品種や肉の部位によっても栄養価が変わるためです。
慣れてしまえば普段使う食材の正式名称が分かるようになってきますが、食品成分表の書籍などを見ると詳しく書いてあるので、初めのうちは本も活用しながら計算していくのがオススメです。
食材ごとの栄養価の計算ができたら、最終的には料理ごとの栄養価を計算して出します。
栄養価の計算は初めはとても大変ですが、一度計算してしまえば次からは同じ分量で作れば栄養計算は省略することができます。
1日の栄養価を計算する
料理ごとの栄養価の計算ができたら、次は1日の栄養価を計算していきます。
先ほどの料理ノートで栄養計算をしたものはそのまま1食分の栄養価を記載すればOKです。
それ以外のものは都度、食品成分表で調べたり、パッケージ裏の栄養成分表示を確認しながら栄養価を記載していきます。
私の場合は夕食まで食べ終わった後に、1日の栄養価を計算し、栄養価が足りていなければプラスで食べたりして帳尻合わせをしていきます。
自己流の栄養計算のやり方を見つけよう!
この記事では私が毎日記録している栄養計算や食事記録のやり方をご紹介しました。
私の場合は初めは栄養計算に2時間くらい掛かってしまいとても大変でしたが、最近は20〜30分くらい計算できるでようになってきました。
それでも新しいレシピばかりの日ははやり今でも時間が掛かってしまいます。
栄養計算は正直とても大変ですが、私は栄養計算を初めてから尿素窒素(老廃物)の値が基準値まで下がり医師から褒められたり、飲む薬の量が減りました。
食事制限をしているけど結果が付いてこないという方は、一度栄養計算をしてみて「自分が普段どのくらい指示量を守れているか」確認してみてはいかがでしょうか。
食事記録は人によっては朝昼で一旦締めて、残りの栄養価で夕食を考えるやり方など人によってやり方は様々です。
今回ご紹介したものはあくまで私のやり方ですので、ぜひご自分で一番やりやすい方法を見つけてみてください。
ディスカッション
コメント一覧
おはようございます!何時も情報を読ませていただき大変ありがたいです。食品データーベースが昨日より使えなくなってしまったのですがどうですか
naruさん
いつも読んでいただきありがとうございます!
食品成分データベースの方にアクセスしてみましたが、私の方でも503と
表示されてしまい使うことが出来ませんでした。
2、3日前に食品成分データベースの方に近日中にメンテナンスを行う旨が
記載されていましたので、恐らくその影響で使えなくなっているのかも知れませんね。
メンテナンスが完了するまでもうしばらく待ってみてはいかがでしょうか?
はじめまして。私はいま80歳の年寄りですが、1年半前にANCA性(糸球体)腎炎と診断され、以来ステロイドの投与と、食事療法をつづけています。制限はエネルギーが1800Kcal、蛋白質が50g、塩分が6gです。家内が(私と同じ年寄りですが)管理栄養士で、昔取った杵柄、毎日3食栄養計算をしてくれています。その1日3食の記録は、写真に撮って、まいにちブログであげています。
みよしさんのブログは参考にさせていただきます。同じことを考えているかたがいらっしゃって心強く思います。私のブログもお暇なおりにご覧ください。「ジンゾーくんの料理日記」で検索できます。
おたがいからだを大切にしましょう。
コメントありがとうございます。
ブログの方も拝見させていただきました。毎日3食栄養計算をしてブログにあげられていて素晴らしいです。
こちらこそ参考にさせていただきます。お互いに頑張りましょう!