2020年4月外来受診【腎臓病の栄養指導に積極的な病院が少ない理由】

2020年4月外来受診【腎臓病の栄養指導に積極的な病院が少ない理由】

先日は4月の腎臓内科の外来受診日でした。検査結果や管理栄養士からの食事指導で勉強になったことなどを共有します。

みよし

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同じように腎臓病の治療中、闘病中の方などに参考にしていただければ幸いです。

2020年4月の検査結果

2020年4月の検査結果
2020年4月の検査結果

今月はクレアチニンが「2.14」、eGFRが「32」と先月よりも少し良くなっていました。

みよし

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クレアチニンが2.0を超えると急激に上がりやすいとよく言われますが、私の場合はここ1年くらいは2.1〜2.3くらいの間でほぼ横ばいです。

今月の管理栄養士による栄養指導(2020年4月)

今月も病院で管理栄養士からの栄養指導があり、24時間蓄尿による食塩やたんぱく質摂取量の測定結果と、自分でした栄養計算を照らし合わせて答え合わせをしました。

答え合わせの結果は以下の通りです。

たんぱく質摂取量食塩摂取量
自分でした栄養計算36.23.1
24時間蓄尿による測定35.324.37
みよし

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私が通院している病院では基本的に毎回栄養指導があり、このような答え合わせを行っています。

今回の24時間蓄尿検査でも指示量のたんぱく質40g、食塩相当量5gの範囲内に収まっていたので問題なしでした。

どのくらいたんぱく質を減らせばいいのか?

腎臓病の食事療法では、どのくらいたんぱく質制限をするかの目安として、標準体重あたり何グラムという基準がよく使われています。

日本腎臓学会のガイドラインでは腎臓病のステージ G3b 以降では、0.6∼0.8 g/㎏標準体重/日のたんぱく質制限が必要とされています。

これは例えば、身長170cmの人であれば、標準体重は約63kgとなり、1日あたり約38g〜50gにたんぱく質摂取量を抑える必要があります。

私の通っている病院では、腎臓病の食事療法の権威である出浦照國先生と一緒に栄養指導をされていた管理栄養士の方が、外来の栄養指導をしているため、出浦照國先生の食事療法の考え方が栄養指導に強く反映されています。

出浦照國先生の研究によると、腎臓病ガイドラインよりも少し厳しめの標準体重あたり0.5gに抑えた患者が一番腎臓病の進行を抑制できたという結果が出たそうです。

みよし

みよし

標準体重あたり0.5gというのは四捨五入された数字のため、正確には0.45〜0.54gの間です。

標準体重あたり0.5gというたんぱく質制限はかなり厳しい制限のため、やり方を間違えると低栄養になってしまう可能性があります。

そのため私の通っている病院でも全員が標準体重あたり0.5gという制限ではなく、食事療法をちゃんと実践できている人は少しずつ0.5gに近づけていくという形にしています。

標準体重あたりのたんぱく質摂取量は24時間蓄尿検査の結果で分かり、私の場合は以下のような検査結果になりました。

標準体重当たりのたんぱく質摂取量
標準体重当たりのたんぱく質摂取量

最近は比較的標準体重あたり0.5gを達成できていましたが、検査日によっては0.58gと四捨五入して0.5gを超えてしまう日もありました。

私の現在のたんぱく質制限の指示量は40g/日でしたが、40gぎりぎりまでたんぱく質を摂ってしまうと標準体重あたり0.5gを超えてしまうため、今後はたんぱく質を1日38gまでに抑えてみようということになりました。

今まで1日40gの制限をしていたので、ここからさらに1日2gたんぱく質を減らすのは意外と難しく、時間をかけてゆっくり1日38gというたんぱく制限に慣れていこうと思います。

出浦照國先生の著書「腎不全がわかる本 第三版」については以前にブログでレビューを書いているので興味のある方は読んでみてください。

>> 出浦照國先生の「腎不全がわかる本 第三版」を読みました

腎臓病の栄養指導に積極的な病院が少ないのはなぜ?

みなさんが通っている病院では外来での24時間蓄尿検査などは行われていますか?

実は私の通っている病院で行っているような、外来での24時間蓄尿検査や、正確な食塩、たんぱく質摂取量の把握しながらの栄養指導を行えている病院はかなり少ないのが現状です。

実際に私も以前通っていた病院では、こういった検査や栄養指導を行ってもらえず、今の病院を探して転院をした経験がありますが、探すのにとても苦労しました。

そこで今回は「腎臓病の栄養指導に積極的な病院がなぜ少ないのか」を管理栄養士さんに質問してみました。

結論から言うと「腎臓病の高度な知識を持ったプロの管理栄養士が少ない」からだそうです。

腎臓病の栄養指導は他の病気に比べて、気にする必要がある栄養素がかなりあり、食事療法の中でもかなり難しい分類に入るそうです。

  • エネルギー
  • たんぱく質
  • 食塩
  • カリウム
  • リン

ざっとあげただけでもこれだけの栄養素を管理し、さらに食事療法で治療効果を上げるためには24時間蓄尿検査で正確な摂取量を把握しながら指導する必要があるため、病院としてもかなり手間がかかります。

医師からすると、食事療法は薬物療法や運動療法、透析、腎移植など色々ある選択肢の中の一つであり、手間のかかる食事療法に力を入れるより、すぐに結果の出る薬に頼った方が簡単です。

このような状況の中では、腎臓病の高度な知識を持ったプロの管理栄養士はなかなか育たず、食事療法の効果が出ないから医師も栄養指導を入れないという悪循環に繋がります。

ただそういった病院でも食事制限を全くしないという訳ではなく、患者は塩分やたんぱく質を制限するように言われます。

患者としては24時間蓄尿をしていないため、正確な摂取量も把握できず、自分がちゃんとした食事制限が出来ているかも分からないまま手探りで食事制限をずっと続けていかなければなりません。

私の通っている病院では「患者にかなりの制限を強いる腎臓病の食事制限をするのであれば、より治療効果のあるものにした方が良い」という考え方のもと、外来での24時間蓄尿などの手間のかかる検査も取り入れながら時間をかけて栄養指導をしてくれているそうです。

私も以前の病院では、「腎機能が徐々に悪くなってしまっているのは自分の食事制限がうまく出来ていないからかも」と悩んでいた時期があったため、今回のようなお話が聞けたのはとても嬉しかったです。

今回の栄養指導ではふと疑問に思ったことを質問してみましたが、とても良いお話が聞けたのでブログでも共有させていただきました。

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