「腎臓病とわかったら最初に読む食事の本」を読みました
今回は2023年3月16日に発売されたばかりの「腎臓病とわかったら最初に読む食事の本」を読んだ感想を紹介します。
最近はあまり腎臓病食のレシピ本を買っていなかったのですが、こちらの本は発売時にAmazonの腎臓の医学カテゴリでベストセラー1位を獲得して一時在庫切れになったほど人気の本ということで気になって購入してみました。
腎臓病とわかったら最初に読む食事の本とは
目次
第1章 腎臓と向き合うための第一歩
第2章 腎臓をいたわる食生活の心得
第3章 ビュッフェのように組み合わせよう
第4章 主菜レシピ
第5章 副菜レシピ
第6章 主食レシピ
第7章 腎臓病とともに生きていくあなたに
この本のポイント
- 赤羽もり内科・腎臓内科の院長や管理栄養士が腎臓病初心者向けに腎臓病食について分かりやすく解説しています。
- 主菜や副菜、汁物、主食などの減塩料理が写真付きで全115レシピ紹介されています。
- 2023年3月16日に発売されたばかりのため比較的新しい情報が多く、腎臓リハビリテーションについての解説や最新の研究を元にしたミニコラムもとても参考になります。
- 腎臓病のたんぱく質制限やカリウム制限についての情報は少なめです。
「腎臓病とわかったら最初に読む食事の本」というタイトルにもある通り、腎臓病についての基本的な解説から、腎臓病食についての考え方、献立の組み立て方など腎臓病初心者が読めば腎臓病食についての基本が一通り分かる書籍となっています。
また、最近は高齢者のフレイルやサルコペニア(加齢により筋肉量などが減少し健康障害を起こしやすい状態)が問題となっていることもあってか、腎臓病患者のたんぱく質制限については医師の間でも賛否両論があるそうで、本書の中でもたんぱく質制限やカロリーアップについての情報は少なめです。
とはいえ、紹介されている115レシピは主菜でもたんぱく質15g以下、塩分1g前後のものが多いので、たんぱく質制限をしている方でも主食を低たんぱく米にすれば比較的食べられるものが多いと思います。
減塩料理115レシピの中から一部をご紹介
気になる減塩料理の全115レシピについては、写真が大きくどれもおいしそうなものばかりでとても参考になります。
全てのレシピにエネルギー、たんぱく質、炭水化物、脂質、食塩相当量、食物繊維、カリウム、リンの記載があるのも嬉しいですね。
豚肉とダイコンの炒め煮
こちらは豚肉の主菜レシピとして紹介されていた「豚肉とダイコンの炒め煮」です。
味付けは砂糖、醤油、生姜とシンプルで、1食あたりの塩分は0.9gとかなり低めです。
とはいえ、塩分控えめでも、豚肉と大根を一緒に煮ることでお肉の旨みが大根に染みて、生姜と青ネギが良いアクセントになってとてもおいしかったです。
本書で紹介されているレシピは使用する食材が少なめで、どの家庭の冷蔵庫にもあるようなシンプルな食材で作れるものが多い印象でした。
また、作り方の工程も2〜5程度で出来上がるレシピがほとんどなので、簡単なレシピが良いという方にもおすすめです。
サバ缶のトマト煮
こちらは魚のレシピとして紹介されていた「サバ缶のトマト煮」です。
使用する具材はサバ水煮缶、トマト水煮缶、セロリ、ピーマンですが、今回はセロリがなかったので代わりに玉ねぎで作ってみました。
作り方はサバ缶、トマト缶、野菜を一緒に煮るだけととても簡単で、味付けは中濃ソース小さじ1/2、ケチャップ小さじ1、にんにく、黒こしょうだけです。
味付けに使う調味料の分量が少なく1食あたりの塩分も1.1gなので、これで味がするのかと心配でしたが、実際に食べてみるとサバとトマトの旨みでとてもおいしく出来上がりました。
腎臓病食の入門書としておすすめです
今回は赤羽もり内科・腎臓内科の「腎臓病とわかったら最初に読む食事の本」を読んだ感想をご紹介しました。
本書の中でも一部紹介されていますが、院長の森 維久郎先生は腎臓病の透析予防に力を入れており、「じんぞうの学校」というWebサイトやYouTubeも運営されています。
腎臓病保存期の治療に力を入れていない病院が多い中、赤羽もり内科・腎臓内科のように保存期の食事療法にも力を入れている病院はとても貴重なので、こういった情報はとても参考になります。
腎臓病の食事療法はただ薬を飲むだけの薬物治療などとは違い、自分自身で考えて実践していかなければならない治療なので、自分でどれだけ食事療法について勉強したかが全てだと思います。
こういった知識を持った上で、かかりつけの主治医や管理栄養士とも相談し、自分なりの食事療法を見つけていくことをおすすめします。
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